ハーレー純正インジェクションチューナー・スーパーチューナーについての
解説、第3回目です。
前々回のブログでは、シャシーダイナモを使用しない、
ただ純正コンピューターに予測データー(ベースデーター)を入れた
いわゆる単なるデータ書き換えの問題点をご説明しました。
また、前回のブログではそこに実走行でのオートチューン(スマートチューン)
をかけた場合の、手間がかかるわりにあまり効果がみられないことについてもご説明しました。
今回は、当店で実際行っているシャシダイナモを使用した
正しいチューニング方法でセッティングを行った場合のテスト結果と
その効果を紹介していきたいと思います。
(燃料噴射状態の改善)
まずは、わかりやすいデータとして、
前々回の(その1)で測定して紹介した、ハーレー社が作成した
ベースデータをただ入れた場合の燃料噴射の状態と、
当店で実際の車両に合わせたチューニング後の噴射状態とを比較してみましょう。
前々回のブログ(その1)をもう一度参照してもらうとよくわかるかと思います。
(テスト車両は今までと同じく2008年式 FXDLです。)
2速ギヤ・アクセル開度10%の時 3速ギヤ・アクセル開度25%の時
青い線が前回測定した、ベースデーターでのエアフューエルレシオ(混合比)
赤い線が当店で修正をかけた後の混合比の実際の測定結果です。
この状態での理想的な混合比である13.5という数値は、赤い点線で表しています。
無駄にガソリンが噴射され乱れていた修正前の青い線が、
修正後の赤い線では、ほぼターゲットとする13.5に一致するように変化しています。
このように修正することで、修正前に無駄にガソリンが濃く噴射されていた部分が
改善され、一番の問題点であった燃費悪化の現象が改善されるとともに、
トルク・馬力もアップさせることができます。
(低速トルク・馬力の改善)
下の表はこの上記の噴射プログラムの修正が、2速ギヤや3速ギヤでの
低速トルク・馬力に実際にどのように反映されたかを比較したものです。
さきほどのグラフと同じように
青線がベースデータでの馬力・トルク測定値です。
赤線が当店でチューニング後の測定値です。
赤線が青い線を上まわっており、トルク・馬力が実際に改善されたことがわかります。
(中高速トルク・馬力の改善)
次のグラフは4速ギヤに入れた状態で、一気にアクセルを全開にした時の
トルクと馬力の測定表です。4速ロールオンと呼ばれるスタンダードな比較方法で、
特に中高速での改善状態がよくあらわれる特長があります。
今までのグラフと同様に、
青線がベースデータを入れた状態での測定値で
赤線が当店で正しいチューニングを行った後の測定値です。
3500回転あたりからの伸びが改善されているのがわかります。
具体的には高速道路に合流するときや、前の車に追い越しをかけるために
一気に加速したいときなどに加速感の違いが実際に体感できます。
(当店の具体的なセッティング方法)
今回は、正しいセッティングを出したときに、きちんと効果があらわれることを
具体的な数字やグラフでご紹介しました。
では、単なるコンピュータデータの書き換えや、オートチューンでの
セティングとどのようにセッティング方法が違うのか具体的に解説して
いきたいと思いますが、ここまででけっこう長くなったので
それは次回のブログでご説明したいと思います!